鈴木研究室
鈴木研究室では,充電できる電池の研究をしています.
電池のための,新しい電極材料を開発すること,現在使われている電極材料を工夫することで,電池性能の向上を目指しています.
具体的には,一度の充電で,何時間も,何日間もつかえることを目指した研究(高容量化),短時間で充電できたり,短時間で沢山の電気を取り出せるようにすることを目指した研究(高出力化),より安価な材料で電池をつくることを目指した研究(低コスト化) をしています.
鈴木研究室では,電池材料の研究をするため「化学」について深く勉強します.
高容量化のためには物質の構造について勉強します.
高出力化のためには化学反応の速さについて勉強します.
低コスト化のためには,総合的な化学の知識と,創意工夫によるアイディアが必要となります.
2016年度の卒業研究テーマ
☆ Sn蒸着膜のNa吸蔵/放出特性の調査
☆ Cu蒸着により表面改質したLFSCのSIB負極特性
2016年度の所属学生
5年生 2名(電気工学科) 専攻科1年生 0名 専攻科2年生 0名
2017年度の所属学生
5年生 0名(電気工学科) 専攻科1年生 2名 専攻科2年生 0名
実験装置/測定装置
グローブボックス:外気に触れることなく,電池を組み立てたり分解したりする装置です.
電気溶接機:瞬間的に大きな電流を流し,金属を溶かして,溶接します.電極をつくるために欠かせない装置です.
電気炉
小型真空蒸着装置:装置内を真空にし,加熱して金属を溶かして,蒸気にします.その蒸気を基板に付着させると薄膜ができます.金属を2種類混ぜて蒸気にすると,金属の交じり合った薄膜もできます.このようにして,新しい電池材料をつくります.「蒸着」は0.05秒でできると思っている人もいるかもしれませんが,数時間かかります.
電気化学測定器:電池の性能を調べる装置です.今は,化学反応の起こりにくさ(反応抵抗)を電気化学的インピーダンス測定によって調べています.他にも,電池の充放電の速さ,電気を蓄える量を調べることができる装置です.
測定中のセル:電池の中でどのような反応が起きているかを観察するためにガラスセルを用います.
原子吸光分析装置:溶液中に存在するイオンの濃度を高感度で測定します.銅など金属中を透過してきた,リチウムやナトリウムの検出のために使用しています.