中学校(それから普通高校とも)違って高専では、授業の他に実験・実習があります。
工学(エンジニアリング)を勉強して技術者(エンジニア)になるためには、数学や理科(工学)の知識が必用ですが、単に知っているだけではダメです。実際の装置や設備などに使える知識としなければなりません。
たとえば掃除機のコードは、ゲーム機の充電器のコードよりも太くなっています。掃除機はゲーム機よりも多くの電流を消費するから、それだけ太い線を使わなければ性能を発揮できなくなってしまいます。
また、掃除機のコードは丸くなっています。動かしながら使うのですから、切れたりねじれたりしたら困ります。そのためにはどんな形や材料が良いのかを考えなければなりません。
その時に必要となるのは数学や工学の知識です。しかし、知識があっても実際のモノの設計に使えなければ宝の持ち腐れです。
知識を使えるようにするために実験や実習が必要になるのです。
高専では、授業で学んだ知識(理論)を確かめるために実験があり、学んだ技術を活用できるようにするための実習があります。
さらに高専にはいろいろなコンテストがあります。他の高専や大学とアイディアを競い、ロボットの技術を競います。ロボコンやロボカップは、高専でなければ体験できません。
5年生になると学んだ理論や技術を活用する卒業研究があります。卒業研究では、ひとりひとりがテーマを見つけて、知識と技術を活用して課題に取り組みます。卒業研究で、自分で作ることによって本当の力となります。卒業研究を体験できることが高専のいちばんおもしろいところです。