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電気情報工学科への名称変更

電気情報工学科への名称変更

電気工学科は、20154月より電気情報工学科へと名称を変更します。

コンピュ-タおよびネットワークの発展にともない、電気工学分野での産業構造が変化しています。また、社会システムにおいては、電気工学と一体化した情報・通信技術が重要な役割を演ずるようになり、電気工学科では、社会状況に適時対応するよう時代の変化に合わせてカリキュラムを更新してきました。

その結果、電気工学科のカリキュラムは、エネルギー、エレクトロニクス、コンピュ-タを中心とした電気・情報関連分野の幅広い教育内容を包含することとなり、学科名称が必ずしも教育内容を表わさなくなりました。このため教育内容を適切に表し、地域社会や企業、中学生等にも分かるように学科名称を変更致します。

本学科では、電力・エネルギー事業に関連する電気工学、製造業に対応するエレクトロニクス・ハードウエア、ソフトウエア、およびネットワ-ク通信分野に関わる基礎的な教育を実施します。そのため、電気工学+情報工学を融合した「電気情報工学科」(Department of Electrical Engineering and Computer Science)を名称とします。

就職活動につきましては、現在も電気分野だけでなく情報関連分野の企業からも多数の求人がありますが、学科名称変更によりさらに増加すると考えます。

新名称は、平成27年度入学生から適用するものであり、平成26年度以前に入学した在校生には入学時の名称「電気工学科」を適用します。
 

 

電気工学科のめざす卒業生像

技術の世界は日進月歩です。エンジニアには、新しい技術を学ぶと同時に、新しい技術を創り出していくことが求められています。松江高専では、卒業生ひとりひとりが新たな技術に挑戦し、我々の暮らしを向上させる学んで 創れる エンジニアとして活躍することを目標として、カリキュラムを整備し、指導体制を構築しています。

電気工学科の多くの卒業生は、製造業、情報通信、エネルギー関連業に従事しています(詳しくは「卒業生の進路」をご覧ください)。ですから、電気系学んで 創れる エンジニアは、

○新たな技術開発に活躍できる

○信頼できる製品製造の中核となる

○生活の基礎となるエネルギーや情報通信ネットワークの施工、保守、管理業務に信頼できる

○安全で安心な社会を支える

人物であって欲しいと考えます。

このために必要となるエンジニアとしての基礎力は何か、を考えて電気工学科の教育目標を作成しました。RIMG1238

1 電気・電子機器を扱うための基礎的な専門知識がある
2 電気・電子機器を作るための専門的な基礎能力がある
3 コンピュータを用い、情報を収集・活用・発信するための基礎能力がある
4 データを収集・解析・評価するための基礎能力がある

教育目標は、すべての電気工学科卒業生が身につける能力です。

(教育目標について詳しくはこちらをご覧ください)

 

 

電気工学科のエンジニア教育

高専カリキュラムの特徴は、

○専門知識を学ぶ授業(講義)

○専門知識を活用できるようにする実験

○専門知識を応用できるようにする実習

○総合力を養成する卒業研究

が組み合わされているところにあります。

松江高専を卒業するためには82単位以上の専門科目の合格が必用ですが、電気工学科の平均的な学生は、講義を49単位、実験を10単位、実習を11単位、卒業研究を12単位修得します(科目は選択制ですので、学生によって実験・実習の合格単位数が1~2単位増減することがあります)。katayama2

講義科目

講義科目では、専門知識の獲得を図ります。交通規則を知らなければ自動車の運転ができないように、エンジニア業務に従事するためにも多くの専門知識が必用です。電気回路図やプログラムを読めるようになることが必用ですが、その中の構成要素についても理解していなければなりません。電気工学科では回路の中を電気信号がどう伝わるかを「電気回路」で、空間の中を電波がどう伝わるかを「電気磁気学」で、2~3年生を通じて基礎から段階的に学びます。そして4年生では、数学を使ってこれらの現象を記述することを学びます。松江高専の1~3年生の時間割には多くの数学の時間が配当されていますが、三角関数や微分積分を使って工学的課題を解くことができるようになるためです。

4・5年生では電気工学の専門科目を重点的に学びます。

エネルギー技術として、

○発電所での発電から、家庭までの送電などの電力エネルギーシステムを学ぶ「電力工学

○電力エネルギーを効率的に、そして正確にモータの回転エネルギーに変換することを学ぶ「エネルギー変換工学

エレクトロニクス技術として、

○トランジスタやICなどの半導体の原理や仕組みを学ぶ「電子工学

○半導体を使って電気信号を増幅する技術を学ぶ「電子回路

コンピュータ技術として、

○コンピュータのハードウエアを学ぶ「計算機工学

○温度や物体の動きを正しくコントロールする技術を学ぶ「制御工学

などの専門科目を学びます。

もちろんこれらの講義科目では、単に知識を詰め込むのではなく、その知識を使えるものとするための考え方や応用の方法を含めてトレーニングします。“知る”だけではなく、“理解する”を目標としています

実験科目RIMG1252

しかし講義科目だけでは“机上の空論”ではありませんが、“机上の理論”です。実際にその理論を確かめ、応用するためには、回路を接続し、計測器を扱い、データを測定し、測定結果を考察する実験科目が必用です。またエンジニアの実務においては、機器が正しく動作しているかを確かめ、問題が生じていれば原因を究明し、対策を講じることが必要となります。このような実務において必要となるのが“実験技術”です。どこに計測器をつなげば何がわかるかを回路図から読み取り、推定される原因が生じていればどのような計測値の変化が現れるかを想定し、原因を特定するためには“実験技術”が必用です。また、新しい製品をテストするときにも、新しい技術を試みるときにも“実験技術”は不可欠です。“実験技術”をエンジニアが持たなければ、単なる解説者でしかありません

実習科目

たとえばコンピュータのプログラミングは、文法やコマンドを覚えるだけでは役に立ちません。プログラムを書けなければ、装置を動かし、データを転送し、コントロールすることはできません。英単語を覚えるだけでは英語を話すことができないのと同じです。電気工学科では、装置を動かすためにもっともよく使われているC言語を2~3年生でトレーニングし、マイクロコントローラに組み込む演習を行うなど“使える”プログラミングを学びます。

また、電気のエンジニアには、電子回路基板を設計製作できる技術も求められます。そこで1年生から電子回路組み立て演習を行います。もちろん量産に使用されるプリント基板を用いても実習しますが、単なる組立工を養成するのではありません。開発に従事するために必用な技術として、(量産が始まる前の開発段階での試作に用いられる)自在基板を用いた実習も行います。また、多様な電子回路を知るために2~3年生ではブレッドボードを用いた試作を、4年生ではコンピュータによるプリント基板デザイン(CAD)をトレーニングし、自動加工機を用いて基板を試作する統合的な演習を行います。

卒業研究R0011013

「学んだことが本当にエンジニアとしての基礎力となっているかどうか」。これは、何かを計ったり、作ったりすることでわかります。

たとえば、「ある材料がどれだけの電圧に耐えられるかを測りたい」とします。その材料が使われる状況を調べて実験条件を設定し、必要な測定機器を考えて接続し、繰り返し実験して、精度のあるデータを得て、報告書としてまとめなければなりません。「○○の測定器を△△に接続しなさい」とお膳立てされた低学年での実験は総合力を養成するための基礎ですが、マニュアルに沿っての実験ではなく、状況そのものを自分自身で設定し、どのようなデータが必要なのかを考え、得られた値を評価しなければなりません。

あるいは、「バッテリーを効率よく充電する装置を作る」としましょう。装置の構成を考え、必要な電子回路を設計し、コントロールプログラムを製作し、動作を確かめなければなりません。設計図が売っているわけではありません。プログラムがネットに転がっているわけではありません。自分自身で何が重要かを考え、設計し、製作しなければなりません。

このように、自分自身で測定や製作に取り組み、エンジニアとしての実力をつける場が卒業研究です。講義で学んだ知識を応用し、実験で学んだ技術と実習で身につけた技能を総合して取り組むトレーニングが卒業研究です。卒業研究では学生一人一人がそれぞれのテーマを選んで取り組みます。

電気工学科は、卒業研究の指導にも力を入れています。電気工学科が、専攻科に進学する学生がもっとも多い学科であることも、教員と学生が共に研究に取り組んでいることの証です。

(個別の授業科目についてはトップメニューの「授業・実験実習」をご覧下さい)

 

電気工学科の教育指導

電気工学科では、教育目標を達成するために以下の指導を行っています専門科目については次のページをご覧ください)。R0010836

学習指導

3年生までの低学年においては、基礎力をしっかりと身につけることが大切です。講義科目の指導はもとより、実験レポートの作成指導、実習で時間を要する学生に対しての放課後指導も行っています。さらに低学力者に対しては放課後あるいは休業期間中に補習追試を実施しています。 

レポート指導

エンジニアにとって文書作成は主要な業務となります。実験・実習ではテーマ毎にレポート作成を指導します。その実験が何を目的とし、目的を達成するためにどのような測定を行ったか(実験方法)、実験の結果、結果から考えられること(考察)を記します。就職活動においてもエントリーシートなどの文書を作成しなければなりません。そのための基礎トレーニングともなります。5年生では、卒業研究のための論文作成科目(テクニカルリーディング&ライティング)も開講しています。 

キャリア指導

1~3年生では、松江高専キャリア・ワーキンググループが中心となって全学科共通の指導を実施しています。先輩やOBによる講演会、学年研修などを通じてキャリアを意識して将来を考えることを指導しています。

4年生では学科が主体となり、学期ごとにOB講演を開催しています。教員から(耳にたこができるほど言われていますから)と違って先輩からのアドバイスは、素直に受け入れる学生が多いようです。夏休みにはインターンシップによる職業体験もあります。 

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資格指導

3年次には第二種電気工事士合格を目標とした科目(電気工事特別演習)、3,4年次には第三種電気主任技術者(電験三種)合格を目標とした科目(電気工学特別演習)を開講しています。これらの資格は、電気設備の施工や維持管理に必要となります(詳しくは電気技術者試験センターをご覧ください)。とくに電験三種は、電気工学の基礎となる電気磁気学や電力工学を中心としたエネルギー技術に関する理解を問う試験となっていますので、電力系以外の業種でも就職活動に有利となります。

しかし、意外に思われるかもしれませんが、電気・情報・機械系において装置やシステムの設計や製造に従事するために、公的な資格は必要ありません。会社としてはISO9001などの認証を受けますが、設計を担当するエンジニアや工場長の学歴は、大学院卒であろうと中学卒であろうと関係ありません。エンジニアとして評価されるものは資格ではなく、実力です。実力を磨くための資格取得は応援しますが、資格取得を目的とすることはありません。

 

コンテスト活動

クラブ活動は、学生時代の体験として重要です。就職活動においても、自分をアピールできる経験となります。

そして高専には、他の高校にはないコンテストが多数あります。電気工学科はコンテスト活動を強力に推進しています。

NHKで有名なロボットコンテスト(ロボコン)

松江高専は1988年第1回大会からロボコンに出場し、2013年第26回大会まで、全国大会にのべ18台のロボットを出場させました。そして、2004年には”それいけアルゴン”が全国優勝を果たしました。この全国大会に出場したロボット18台のうち16台が電気工学科チームです。ET robo 02

近年のロボコンロボットにはマイコンが搭載され、ネットワークとつながる、あるいは自律動作する、などの高い技術が要求されています。その動作を実現するためには機械(メカ)だけでなく、センサをコンピュータに入力する、アクチュエータをコントロールする、操縦者(コントローラ)と無線通信する、などの高度なエレクトロニクス&コンピュータの知識と技術が必要となっています。

つまり、ロボコンロボットを設計し、製作することは、極めて高度なエンジニアとしてのトレーニングとなります。

電気工学科ではNHKロボコンの他にも、ETロボコン、ロボカップサッカーなど、高度な技術を求められるロボットコンテスト活動をサポートしています。実験室内に開発システムを備え、あるいは工作機器を設置し、経験豊富なスタッフが指導にあたる支援を続けています。

 

5年生進路指導

準備段階

4年生では、卒業後の進路について、情報を集め、よく考えることを指導します。1年間を通じて5年生の活動状況などを伝え、進路決定への意識を高めます。

4学年末の春休み(3月始め)に学科長、アドバイザ、保護者、学生による面談を実施し、進学か就職かの意志を確認します。就職であれば、希望する業種や職種、勤務地などの希望を、進学であれば志望校(本命と滑止め)を確認します。この時点で希望がはっきりしていないと意志決定ができなくなり、その後の活動に影響します。4年生のうちに意識をはっきりとさせておくことが重要です。

例年ありますが「受験に失敗したら就職したい」との二股はお奨めできません。受験失敗が決まる頃には就職活動は終盤になっています。採用活動を継続している企業は限られ、いわゆる人気企業は、まず残っていません。また、学生にも“この会社で全力を尽くすのだ”との意志が固まっていなければ、内定は得られるものではありません。

就職活動

例年、2月頃より求人票が送られてきます。原則として4月の“解禁”から企業見学、説明会などへの参加が始まり、希望する企業への応募(履歴書やエントリーシートの提出)となります。応募には学科推薦(高専からの就活の場合は学校推薦でなく学科推薦が慣例となっています)と自由応募の2種類があります。学科推薦では、たとえば1次、2次、3次と3回ある面接の1次をパスさせて頂けるとか、書類審査なしで面接して頂けるとか、エントリーしなくても面接して頂けるなどの優遇をして頂ける企業が多くあります。ただしもちろん、採否は推薦の有無ではなく、本人によって決まります。きちんとコミュニケーションができる人物であること、リーダシップを持った人物であること、専門能力が高いこと等が重要となります。また、TOEICスコアは400以上であれば大きな武器となります。R0011044s

応募に際しては履歴書の書き方、エントリーシートの書き方指導、面接指導などを繰り返します。しかし、これらの“身だしなみ”の指導は、社会人としての基本ではありますが、エントリーシートや面接で何を主張できるかは、学生自身がどれだけの努力を積み重ねてきたかに依ります。5年生になるまでにいろいろな体験を積むように指導しています。

例年、7月までにほとんどの学生が内定を得ます。が、応募した最初の企業からすぐ内定を得られるわけではありません。2社、3社と応募を繰り返すこともあります。このとき、何が足りなかったのかを分析し、次に臨むことが重要となります。自己分析がきちんとできることが大切です

受験

進学への挑戦は、5月の専攻科推薦入試から始まります。専攻科推薦は、専攻科が第一志望であって4年生の成績が優れていること、人物に問題がないことが条件となります。

大学編入学試験も大学によっては5月からありますが、多くは7月、8月です。推薦と学力の2種類があります。

5年生になってから受験勉強を始めるのでは間に合いません。専攻科及びほとんどの大学では、英語、数学、電気の専門科目(電磁気、電気回路、電子回路、電力工学、制御工学)が受験科目となります。出題範囲は、ほぼ、4年生で学習した内容となります。したがって、4年生の成績が重要となります。4年生の定期試験で良い点が取れなかった学生が、(試験範囲を明示されない)入試において得点を得ることは極めて困難です。また推薦入試の場合、推薦基準及び合否の判定において成績が大きなポイントとなります。

合格を得るためには、4年生の成績(優、良、可)において平均“良”以上であることが合格の目安となります。東大・京大などの難関校受験では、ほぼ全“優”であることが求められます。クラスでの順位は関係なく、成績そのものが重要です。進学を希望する者は、4年生の始め、遅くとも夏休みの始めからは計画を立てて勉強をすることが必須です。

TOEICまたはTOEFLのスコアを英語の試験の代わりとする大学が多くなっています。TOEICは、多くの企業が社内での昇進の基準のひとつとするなど、英語能力の物差しとして広く使われています。松江高専では学内でTOEIC試験を実施するなど、TOEICの指導にも力を入れています。

残念なこと

就職や進学が決まって慢心してしまう学生があります。卒業に向かって努力することの指導を繰り返しますが、何年かに1人、内定あるいは合格が決まっているのに卒業できなくなってしまう学生がいます。高専は「内定があれば卒業させる」学校ではありません。単位の認定は、公正に行います。卒業まで、きちんと努力することを指導します。 

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