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2015年4月、電気情報工学科がスタートしました

電気工学科のエンジニア教育

高専カリキュラムの特徴は、

○専門知識を学ぶ授業(講義)

○専門知識を活用できるようにする実験

○専門知識を応用できるようにする実習

○総合力を養成する卒業研究

が組み合わされているところにあります。

松江高専を卒業するためには82単位以上の専門科目の合格が必用ですが、電気工学科の平均的な学生は、講義を49単位、実験を10単位、実習を11単位、卒業研究を12単位修得します(科目は選択制ですので、学生によって実験・実習の合格単位数が1~2単位増減することがあります)。katayama2

講義科目

講義科目では、専門知識の獲得を図ります。交通規則を知らなければ自動車の運転ができないように、エンジニア業務に従事するためにも多くの専門知識が必用です。電気回路図やプログラムを読めるようになることが必用ですが、その中の構成要素についても理解していなければなりません。電気工学科では回路の中を電気信号がどう伝わるかを「電気回路」で、空間の中を電波がどう伝わるかを「電気磁気学」で、2~3年生を通じて基礎から段階的に学びます。そして4年生では、数学を使ってこれらの現象を記述することを学びます。松江高専の1~3年生の時間割には多くの数学の時間が配当されていますが、三角関数や微分積分を使って工学的課題を解くことができるようになるためです。

4・5年生では電気工学の専門科目を重点的に学びます。

エネルギー技術として、

○発電所での発電から、家庭までの送電などの電力エネルギーシステムを学ぶ「電力工学

○電力エネルギーを効率的に、そして正確にモータの回転エネルギーに変換することを学ぶ「エネルギー変換工学

エレクトロニクス技術として、

○トランジスタやICなどの半導体の原理や仕組みを学ぶ「電子工学

○半導体を使って電気信号を増幅する技術を学ぶ「電子回路

コンピュータ技術として、

○コンピュータのハードウエアを学ぶ「計算機工学

○温度や物体の動きを正しくコントロールする技術を学ぶ「制御工学

などの専門科目を学びます。

もちろんこれらの講義科目では、単に知識を詰め込むのではなく、その知識を使えるものとするための考え方や応用の方法を含めてトレーニングします。“知る”だけではなく、“理解する”を目標としています

実験科目RIMG1252

しかし講義科目だけでは“机上の空論”ではありませんが、“机上の理論”です。実際にその理論を確かめ、応用するためには、回路を接続し、計測器を扱い、データを測定し、測定結果を考察する実験科目が必用です。またエンジニアの実務においては、機器が正しく動作しているかを確かめ、問題が生じていれば原因を究明し、対策を講じることが必要となります。このような実務において必要となるのが“実験技術”です。どこに計測器をつなげば何がわかるかを回路図から読み取り、推定される原因が生じていればどのような計測値の変化が現れるかを想定し、原因を特定するためには“実験技術”が必用です。また、新しい製品をテストするときにも、新しい技術を試みるときにも“実験技術”は不可欠です。“実験技術”をエンジニアが持たなければ、単なる解説者でしかありません

実習科目

たとえばコンピュータのプログラミングは、文法やコマンドを覚えるだけでは役に立ちません。プログラムを書けなければ、装置を動かし、データを転送し、コントロールすることはできません。英単語を覚えるだけでは英語を話すことができないのと同じです。電気工学科では、装置を動かすためにもっともよく使われているC言語を2~3年生でトレーニングし、マイクロコントローラに組み込む演習を行うなど“使える”プログラミングを学びます。

また、電気のエンジニアには、電子回路基板を設計製作できる技術も求められます。そこで1年生から電子回路組み立て演習を行います。もちろん量産に使用されるプリント基板を用いても実習しますが、単なる組立工を養成するのではありません。開発に従事するために必用な技術として、(量産が始まる前の開発段階での試作に用いられる)自在基板を用いた実習も行います。また、多様な電子回路を知るために2~3年生ではブレッドボードを用いた試作を、4年生ではコンピュータによるプリント基板デザイン(CAD)をトレーニングし、自動加工機を用いて基板を試作する統合的な演習を行います。

卒業研究R0011013

「学んだことが本当にエンジニアとしての基礎力となっているかどうか」。これは、何かを計ったり、作ったりすることでわかります。

たとえば、「ある材料がどれだけの電圧に耐えられるかを測りたい」とします。その材料が使われる状況を調べて実験条件を設定し、必要な測定機器を考えて接続し、繰り返し実験して、精度のあるデータを得て、報告書としてまとめなければなりません。「○○の測定器を△△に接続しなさい」とお膳立てされた低学年での実験は総合力を養成するための基礎ですが、マニュアルに沿っての実験ではなく、状況そのものを自分自身で設定し、どのようなデータが必要なのかを考え、得られた値を評価しなければなりません。

あるいは、「バッテリーを効率よく充電する装置を作る」としましょう。装置の構成を考え、必要な電子回路を設計し、コントロールプログラムを製作し、動作を確かめなければなりません。設計図が売っているわけではありません。プログラムがネットに転がっているわけではありません。自分自身で何が重要かを考え、設計し、製作しなければなりません。

このように、自分自身で測定や製作に取り組み、エンジニアとしての実力をつける場が卒業研究です。講義で学んだ知識を応用し、実験で学んだ技術と実習で身につけた技能を総合して取り組むトレーニングが卒業研究です。卒業研究では学生一人一人がそれぞれのテーマを選んで取り組みます。

電気工学科は、卒業研究の指導にも力を入れています。電気工学科が、専攻科に進学する学生がもっとも多い学科であることも、教員と学生が共に研究に取り組んでいることの証です。

(個別の授業科目についてはトップメニューの「授業・実験実習」をご覧下さい)

 

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